京都大学大学院卒業 文学研究科 思想文化専攻(近畿大学付属和歌山高校出身)

「わからない」状態のまま、やみくもに学習機会を増やすのではなく、まずは「わかる」状態から出発することが肝要だと考えています。たとえば、センターの国語を苦手をする生徒の多くは古文のテキストを何がわからないのか、それすらわからないまま、ただ漫然と文章を読んでいます。そうした曖昧な理解はいたずらに不安を呼び起こし、学習意欲を低下させる原因になります。

そのような状態では、たとえ古文単語を二百新たに記憶したところで、決して点数の向上といった結果には結び付きません。むしろ重要なのは、かりに生徒さんが高校三年生だったとしても、思い切って中学生レベルの文法理解に立ち戻ることだと考えます。

非常に基礎的な問題にせよ、何かがわかる感覚は、喜びとともに新たな学習段階にたいする動機づけの役割を果たします。もちろん、かりにその生徒さんが受験直前だとすれば、学習のゴールまでの距離に不安と焦燥を感じるかもしれません。

しかし、だからこそプロの家庭教師がゴールまで「わかる」階段を最短距離で積み上げるための工夫をこらす必要があります。わたしたちの指導に求められているのは、生徒さんに根気強く寄り添いながらその「工夫」を創意発案することだと考えています。